皆さんSelmer#607って企画ご存知でしょうか。ジプシージャズ界隈では当然の認知度ですが、そういえば私自身、人づてに聞くまでは全く知らず、Youtubeの関連動画などにも 出てこなかったため知る由がなかったのですが、とても素晴らしい企画なので紹介しようと思います。
まず、このジャンルに使用される特殊なセルマータイプと呼ばれるギターのことはコラム1でお話ししたと思いますが、この当時のオリジナルのセルマーは1000本ほどしか生産されておらず、 現在でも弾けるコンディションのものは非常に少ないため、お金があっても簡単には手に入りません。 そのオリジナルのセルマー、シリアルナンバー607を所有している人がそれを若手のトッププレイヤーたちに貸して、製作したアルバムになっています。 ライブでもソロをとるプレイヤーは自分のソロが終わるとそのままギターを次のソリストに手渡ししています。笑 ライブ映像ではないですが、下に貼ってある埋め込み動画の1つ目(一番左)では実際にギターを手渡ししている様子もわかります。
このアルバムは5人ものトップクラスのプレイヤーが入り混じって演奏しているため、今まで聴いたことなかったけど、自分の好きな演奏する人がいる! と新たな発見があります。 また、同じギターを弾いても、それぞれの音色が個性的なため好きなプレイヤーであればその音だけでわかってきます。そうすると、似たタイプのプレイヤーとその好きなプレイヤーの 音の違いは何なのかとか、どんな風に弾いてその違いが生まれるのかとか研究していると楽しくなります。 当然音色だけでなく、フレーズやタイミング、曲のイメージなど様々な部分に展開して研究できます。
また、さらにプレイヤー向けの記事になってしまいますが、今回で3度目となるこのアルバムを終えて、ついに演奏しているプレイヤーによるレッスン動画の配信が決まりました。 Selmer#607 Schoolと題しています。Denis ChangのDC Music Schoolのようなものでしょうか。 ちなみに、台北のフェスの時にAntoineにこのレッスン動画のことを聞いたら、このレッスンは1週間くらいの短期間で撮ったらしいので、 「個人的には1か月くらいかけて撮ったDC Music Schoolのほうをおすすめするよ」と言われました。笑 現在はベータテスト期間のようで、正式に配信されていませんが、とても楽しみなコンテンツですね。 下にこのスクールの広告動画も貼っておきます(2番目)
ちなみに歴代Selmer#607のメンバーは毎回ちょっとずつ変化しています。